緑内障は、視神経が障害されることで視野(見える範囲)が欠けていく病気で、一度失った視野は取り戻すことができません。多くの場合、初期には自覚症状がありません。緑内障の視野障害はゆっくり進行し両眼で補い合うため、かなり進行するまで気づきにくいことと、一般的な緑内障の病型では痛みなど、見え方以外の症状が無いことがその理由です。そのため気づかないうちに進行し、発見されたときにはすでに視野障害が進んでしまっていることも少なくありません。では、実際にはどのようなきっかけで緑内障が見つかるのでしょうか。
最も多いのは、健康診断や人間ドックでの指摘です。眼底検査や眼圧検査で異常を指摘され、精密検査を受けた結果、緑内障と診断されるケースが多くあります。特に40歳以上の方では発症率が高くなるため、定期的なチェックが必要です。
また、メガネやコンタクトレンズを作る際の検査や、他の眼の病気の検査中に偶然見つかることも多いです。
国内には500万人近くの緑内障患者がいると考えられています。しかし、怖い病気というイメージとは裏腹に、失明に近い状態に至るのはそのうち極僅かです。一方で、高齢者ほど視野障害が高度であることもわかっています。一部の難治性の緑内障を除いて、早い段階で緑内障を見つけ治療を受けることで、仮に視野のダメージが進行したとしても、ほとんどの患者さんが生涯に渡り生活に必要な見え方を維持することができます。裏を返せば、発見が遅れることは進行した状態からの治療開始となり、治療の選択肢が狭まるといえます。
緑内障の種類によって治療方針は異なりますが、ここでは最も一般的な原発開放隅角緑内障(正常眼圧緑内障を含む)の場合について、当院の方針をお伝えします。
治療を開始する前に、治療効果判定の基準となる検査データ(眼圧、視野、OCT、中心角膜厚検査など)を1~2か月にわたって確認します。
眼圧を下げるための点眼を始めます。病状や患者さんのライフスタイル、薬剤の副作用を考慮し、なるべく少ない点眼本数、回数で必要な効果が期待できるものから点眼薬を選択します。点眼開始後は1か月後に眼圧が下がっているか、副作用が出ていないか確認に来院していただきます。
緑内障の目薬は毎日決まった回数点眼することで安定した効果が出ます。しかし始めから完璧に継続することは難しく、忘れがちになってしまうのは仕方がありません。生活の中でタイミングを決めて行うことで徐々に習慣化していきましょう。点眼が上手く入らず難しい、続けるのが不安といった場合には、無理なく続けられる方法を一緒に見つけていきましょう。
治療効果の判定は、「眼圧が下がっているか」だけでなく、「視野障害が進行していないか」という観点で行います。定期的な視野検査を行いながら数年かけて判断します。当院では最初の1年間は2か月毎の診察、4か月ごとの視野検査を行っていますが、病状が安定していれば徐々に診察、検査間隔を空けていきます。
視野障害が進行している、眼圧が十分に下がっていないと判断した場合は点眼の変更や追加を検討します。それでも不十分ならばレーザー治療や手術などを検討します。
房水の出口である線維柱帯にレーザーを照射し、目の中の水(房水)の流れを改善して眼圧を下げる治療です。点眼治療で十分な効果が得られない場合や、副作用のため点眼を減らしたい場合に選択されます。短時間で行え、痛みや合併症がほとんどない低リスクの治療です。効果には個人差がありますが、必要に応じて繰り返し行うことも可能です。
虹彩(黒目の一部)に小さな穴をあけて、房水の流れを改善し、急な眼圧上昇を防ぐ治療です。房水の流れ道である隅角が狭い閉塞隅角緑内障やその予防として行われます。
当院では日帰り緑内障手術を行なっています。緑内障手術には多くの術式がありますが、それぞれに利点欠点があるため、病状に適した術式選択をいたします。
流出路再建術は、自然な房水排水路を整える手術です。小さな傷口で目の内側から手術を行うmicro invasive glaucoma surgery(MIGS)が主流となっており、回復が早く重い合併症が少ない点が大きなメリットです。眼圧を下げる効果はそれほど強くありませんが、白内障手術と同時におこなわれることが多く、術後に必要な緑内障点眼の数を減らし、負担を軽くする効果を狙います。
線維柱帯とシュレム管の内側に小さなフックを入れて切れ目を作り、房水の流れを妨げている抵抗を直接取り除く手術です。これにより排水がスムーズになり、眼圧低下が期待できます。結膜を切らないためダメージが少なく、安全性が高い方法とされています。 一方で術後に一時的な出血や眼圧変動がみられることがあります。
非常に小さなチタン金属製のステントを線維柱帯に挿入し、房水の流れ道を増やす手術です。線維柱帯切開術よりもさらに負担が少なく、白内障手術と同時に行われることが多いのが特徴です。効果は比較的穏やかですが、点眼の本数を減らす目的で選ばれることが多い方法です。
房水の出口である隅角が癒着して閉じてしまっている場合に、その癒着をはがして本来の排水路を再び開く手術です。閉塞隅角緑内障などで用いられ、眼の構造を元の状態に近づけることで房水の流れを改善します。白内障手術と併用されることが多く、早期の段階で行うほど効果が期待されます。
濾過手術は、目の外に新しい房水の出口を作り、眼圧をしっかり下げる方法です。緑内障の手術の中でも特に効果が高いとされています。一方で、目に加わる負担はやや大きく、感染や眼圧が下がりすぎるなどの合併症が起こる可能性もあるため、術後は慎重な経過観察が大切です。
結膜(しろ目)の裏側に新しい房水の通り道を作り、房水を外に逃がして眼圧を下げる手術です。作られた通路の下には「濾過胞」と呼ばれる貯まりができ、そこから体内に吸収されます。強い眼圧下降効果が期待できる一方で、眼圧が下がりすぎる低眼圧や感染などの合併症に注意が必要です。術後は経過に応じて糸を切って調整するなど、細かな管理が重要になります。
非常に細いチューブ状の器具(ステント)を目の中に挿入し、房水を眼外へ流す新しい排水路を作る手術です。トラベクレクトミー同様に強い眼圧下降効果が期待されますが、眼圧が下がりすぎないようステントの太さが設計されており、術後に調整する手間が少ない術式です。低眼圧のリスクを抑えながら安定した効果を狙うことができます。
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